世に存在する事物、様々な歴史を語る上で、最も大事なのはその原点ではないでしょうか。映画についてももちろんそれは例外ではないと思います。 そして原点というものを語る上で「なにをもって原点とするのか」を、まず定義することが必要となってきます。 でないと、その作業だけで1カテゴリがまるごと埋まってしまいかねないですし。 1893年、当時既にメンロ・パークの魔術師と異名を取っていた、アメリカの希代の天才発明家、トーマス・エジソンが「キネトスコープ」という名の映像を再生する装置を開発します。これは残念ながら1度に1人だけしか観れないというものだったそうです。 さてさて、とりあえずエジソンは於いておくとしまして(これについてはまた後日語りたいのですが)1895年3月にリュミエール兄弟が作り出した「シネマトグラフ・リュミエール」で公開された「列車の到着」他、全12作品が人類最初の映画だと言えるでしょう。 これは1894年、リュミエール兄弟がエジソンの発明した「キネトスコープ」の仕組みを元にそのまま流用し、スクリーンに投射できるように改良しただけの、とてもシンプルなものです。しかし、現在まで使用されている映写機と基本構造がほとんど変わらないほど完成度の高いものであったと言われています。 それにしても、現代に於いてもしこういう発明の仕方をすると、ただではすまないような…色んな意味で寛容な時代だったのでしょうね。 ちなみにリュミエール兄弟はその後の1907年、世界で初めてカラー写真を実用化し、販売へと発展させました。エジソンといい、この時代の発明家は実に多芸なものですね。 |
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